銃を使わない侵略 人口交換
2028年、誰もが理解した。これは「交換」なんかじゃない。
堂々とした、計画的な侵略だった。政府はもう隠さなくなった。首相官邸で記者会見した内閣総理大臣は、こう言った。「我々はすでに敗北しています。抵抗は無意味です。中国(チャイナ)と朝鮮の圧倒的な人口と経済力の前では、日本は存続できません。賢明な選択は、受け入れることです」その瞬間、テレビは突然切り替わり、北京からの中継に変わった。チャイナの国営放送が、日本語字幕付きで流れた。「本日より、日本列島はチャイナの特別行政区『東海区』として再編されます。残存する旧日本人住民は、順次内陸部への移住を命じます」画面には、すでに横須賀軍港に停泊するチャイナ海軍の空母群が映っていた。
自衛隊は一発の砲弾も撃たなかった。
上層部は全員、事前に「説得」されていた。街は変わった。東京駅の丸の内口には、巨大な赤い旗が掲げられた。
新宿の都庁は「東海区人民政府」に改名され、入り口には武装したチャイナ人が立っている。
歌舞伎町は完全にチャイナ人の街になり、日本語の看板はすべて剥がされた。朝鮮人も負けてはいない。大阪は「平壌特別市」として朝鮮の直轄地にされた。
難波のグリコの看板は撤去され、金日成と金正恩の巨大な肖像画に変わった。
関西空港には、北朝鮮の軍用機が次々と着陸し、兵士たちが「解放軍」として街を占拠した。日本人はもう「住民」ではない。
「旧住民」「被保護民」と呼ばれ、身分証には「臨時滞在許可証」と書かれている。
家から追い出され、指定された収容エリアに押し込まれる。
拒否すれば即座に連行される。夜の街で、日本人女性が拉致される事件が多発した。
犯人は決まってチャイナ人か朝鮮人。
警察は動かない。
いや、警察自体がもうチャイナ人と朝鮮人で構成されている。山奥に隠れた最後の抵抗者たちは、こう叫んでいた。「俺たちは占領されたんだ!
銃も戦車も使わず、ただ人数で押し潰された!
これは21世紀の植民地だ!」だが、その声は誰にも届かない。テレビはもう日本語を放送していない。
ラジオも、新聞も、インターネットも。
すべてチャイナ語と朝鮮語だけ。最後に見た日本の地図には、
「日本」という文字はどこにも残っていなかった。ただ、赤と青の新しい旗が、
かつて日本と呼ばれた島々に、
静かに、確実に、
翻っていた。
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